伊勢ー白山　道

ネットで見掛けました、少し良い話を紹介します。
サラリーマンが仕事帰りの夕方に、駅に向かって歩いていました。
すると、盲目らしい男性が白い杖をつきながら、歩道の点字ブロックの上を辿りながら仲々のスピードのある速さで歩いているのが前方に見えました。
 
そして、少し行ったところの信号が赤になったばかりでした。その信号は音が鳴る仕様であり、点字ブロックも続いています。
サラリーマンが離れた後方から見ていますと、信号で止まらずに勢いよく歩いて行こうとする盲目男性の直ぐ目の前に、どこからともなく現れた男子高校生が急に割り込んでぶつかりました。

盲目男性が軽く謝罪し、男子学生もボソリと何か一言を言ったようでした。
サラリーマンは、わざと衝突するような止め方に悪意を感じてイラっとして、「急に飛び出てきて盲人に衝突するような止め方をするなよ！」と思いました。
しかし、男子学生の前をよく見てみますと母親と小さな子供がおり、子供は点字ブロックの上に乗って信号待ちをしていました。
もしあのままの勢いの盲目男性が、点字ブロックに沿って信号を止まらずに進んでいますと、子供に勢いよく後ろからぶつかり、自動車が走る車道に子供が押し出されて轢かれたかも知れません。

イラっとする止め方でしたが、とりあえず良かったと思いながらもサラリーマンはまだ男子高校生への不信感を持って見ていました。
更に次に、信号も無い短い横断歩道に盲目男性がさしかかりました。
すると高校生は故意にわざと盲目男性の前方をさえぎるように歩いているように後方から見えました。
この時もサラリーマンは、ストーカーのような歩行妨害をするなよ！と男子高校生に対して心の中で悪態をついて見ていました。

そして横断歩道に辿り着いた時、前を歩く男子高校生が片腕を広げたために、気付かずに歩こうとしている盲目男性は再び男子高校生にぶつかりました。
先程と同じように盲目男性は謝罪し、 男子高校生も先程と同じようにボソリと何かを言いました。
何が起きているのかが分からなかったサラリーマンは、徐行しないで曲がってきたトラックが二人の前を通過したので、やっと事態を理解しました。男子高校生が盲目男性に嫌がらせをしていた訳ではなかったと分かり始めたのです。

盲人には自分の腕をつかませてあげるという補助の方法を知らないだけであり、男子高校生なりに不器用に助けようとしていたのが分かりました。
しかし、ぶつかった時にぶっきらぼうにボソッと一言を盲目男性に言うだけでは完全な説明不足です。目が見えない男性にすれば、小さな女の子が前に居たことや、トラックが左折で急に目の前を通過したことも知らない訳です。

もしかすれば盲目男性は、変な若者につきまといの嫌がらせをされていると最後まで思っていたかも知れません。
説明不足のままですと、どんな善行でも相手を不安なままにするという教訓です。
これは会社でも言えることであり、自分が仕事を頑張っているつもりでありましても、周囲へのコミュニケーションが不足していますと、協調性の無い変な人に思われがちです。それでは仕事への評価がされにくいです。

私は嫌な上司ほど、自分から進んで日々の進捗状況（しんちょくじょうきょう）を間を見ては報告していました。上司が無反応で嫌そうに見えても関係ないのです。上司の内心は、自分を立てている部下という悪い気がしないことを私は知っているからです。
嫌な上司ほど敵も多いので、私には良い評価をしてくれるように成りました。
自分が努力の行動をすれば、それに関する説明の機会も重要だと思いましょう。

ここで話が戻りますが、サラリーマンは駅でこの男子高校生をよく目撃することに気付きました。そこで目撃した男子高校生の善行の事例は、
＊ 駅の階段でヨタヨタと歩く高齢者がいれば、背後からゆっくりと付いて上がり、他の歩行者が後ろからぶつからないように守っていた。
また、老人が階段から転んでも支えられるように、両手を準備状態にしていた。

＊ ホームでハシャいでる小さな子供がいれば、ホームから落ちないように視線を外さずに注視していた。
幼児が線路の方向に行けば、その時も無言で自分の体を前方に割り込ませてホームから転落を防止していた。
その時は、親もそれで気づいて子供を叱り、男子高校生にお礼を言っていた。

これらを目撃したサラリーマンは、最後に
「どうやったらこんな男子高校生が育つんだ！！」
という言葉で締めくくっていました。

この話を読みまして、私は男子高校生の「説明不足の働き」とは、先祖霊や氏神の働きと非常に似ていると感じました。まさに、このような感じなのです。
私たちは起きている現象の意味は分からない訳です。結果だけしか認識が出来ません。
先祖や精霊側にすれば、「このような理由で」というのが必ず有る訳です。

自分が普通に暮らしていれば、その陰では未然に守られている案件が誰にでも多数有るのです。
人は分からないと感謝もしません。
だから、何もない時ほど、普段から先祖に感謝をして行きましょう。それは自分が守られている証拠だからです。
間違っても、先祖に逆恨みするようなことは、本当に誰にも無いのです。それは逆だったのです。

生かして頂いて　ありがとう御座位ます

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